Brand strategy column-ブランド戦略コラム-

マーケティング

押さえておきたい!ペルソナの必要性

2018.06.28

「ペルソナ戦略」や「ペルソナマーケティング」などの言葉も一般的になりましたが、意外にペルソナを上手に活用するのは難しいものです。

ペルソナとは、劇中の登場人物といった意味を持ち、ブランディングでは自社の見込み客がどんな人なのか、顧客分析や調査データをベースに人物像を設定したものです。ペルソナを描くことにより、「誰が自社の商品やサービスに魅力を感じてくれるのか」が明快になり、顧客を近しい存在として感じ取ることができます。

ペルソナの必要性

従来は年齢や性別、職業などによってターゲットを設定してきました。しかし、価値観の多様化とニーズの細分化が進んでいる現在では、同じ30代の女性であってもそのライフスタイルや趣味嗜好、価値観はさまざまです。

性格や価値観、潜在的な欲求などのインサイトを踏まえた、的確な顧客モデル「ペルソナ」を描くことができれば、商品開発や、サービスの見直し、プロモーションの方向性など多くのシーンで活用することができます。

ペルソナを作成するメリット

【 1. 顧客が何を求めているかがピンポイントでわかる】
ペルソナを設定することで、具体的な顧客のニーズや、抱えている課題を理解できるようになります。どのような商品・サービスが求められていて、どのような表現が共感を呼ぶのかが格段に分かりやすくなります。

【 2. 顧客視点で意思決定できるようになる】
商品開発やサービスメニューの構築、接客フローの見直し等を行う際、ペルソナを通して思考することで「自社にとってどうか」という視点から、「顧客にとってどうか」という視点に焦点が当たるようになります。より市場のニーズにマッチした判断ができるようになります。

【 3. メンバー間での認識のズレを防げる】
業務に携わるメンバー全員の顧客イメージをすり合わせるのは非常に難しいものです。例えば「都内在住の30代未婚女性」と設定しても、メンバーが個々にターゲットのライフスタイルや考え方を想像していては必ずズレがし生じます。そこでペルソナを明確化しておくことで、メンバー間で共通した顧客モデルを持つことができ、迷ったり悩んだときにも共通の軸で判断することができます。

ペルソナの作成方法

ペルソナの設定項目は、名前・年齢・性別などの基本情報に加え、サービス利用や商品購入の意思決定に影響を与えそうな項目を挙げていきます。他にも、どんな悩みがあるのか、何にストレスを感じているのか、好きなものは何か、興味・関心を寄せていることなどを考え、ストーリーを構築していきます。

直に顧客との接点を持つ現場のスタッフからヒアリングを行うと、より精度の高いペルソナを設定することが可能です。購入に至るまでの動機や、意思決定を阻む要因なども描けるとさらに具体的になります。

ペルソナはビジネスモデルによっては、複数設定する場合もあるので必ずしも一人に絞らないといけないということではありません。またBtoCだけではなく、BtoBにおいてもペルソナの設定は非常に有効です。

ペルソナの落とし穴

ペルソナ設定において重要なポイントは「リアルな実感」です。リサーチ不足や客観的な視点が欠けたまま作成すると中身の薄いペルソナや、思い込みや理想を投影した自社にとって都合のいいペルソナ像を描いてしまうことがあります。

ペルソナ作成後は、「自社のブランド戦略に沿っているか」「顧客接点を持つ現場のスタッフが違和感を感じないか」等のポイントで検証をかけブラッシュアップしましょう。

ペルソナの実践事例

ペルソナのストーリーをどこまで詳細に設定するかは、業界の商習慣や各企業のビジネスモデルによって様々です。自社のビジネスにフィットするペルソナをどう設定するかは実践経験が必要なところです。ここではオレンジフリーでブランディングサポートを行ったプロジェクトのペルソナを一例としてご紹介します。

【CASE1:自然派素材のケーキショップのペルソナ】
・秋本しずく 28歳(女性)既婚/夫婦+子1人(2歳の女の子)
・大阪府堺市在住の専業主婦 世帯年収400万 ・移動手段は車
・情報収集:ネット・SNS・友人口コミ
〈ストーリー〉
5年間のOL生活を終えて、幸せな家庭生活を送る、2歳の女の子を持つママ。子どもの成長を見守り、育児を楽しみつつも、社会から取り残されている感もあり、少し自由のきかない環境にもどかしさを感じている。

トレンドのものや、おしゃれなお店がないかをSNSや日々の買い物の中で探してしまう。買い物帰りにケーキ屋さんに寄って新しいスイーツが出ていないかをチェックするのが最近の楽しみ。可愛くてインスタ映えするスイーツを見つけるとつい買ってしまう。カワイイ写真が撮れたらなんか幸せな気持ちになれる。

お料理やお菓子作りも大好きでおいしいものに目がないが、子どもが生まれてからは健康や体に良いものを意識することが多くなり、お菓子や食材の原材料チェックは欠かさないようになった….。
(この他に幸せを感じること、不満なことなども設定)

【CASE2:豊中市のペルソナ】
代表の吉田ともこは豊中市のブランド戦略策定委員として戦略構築のサポートを行いました。このプロジェクトでは9タイプのペルソナ(9タイプの市民)を設定。この中からセレクトしてご紹介します。

〈タイプ02〉仕事を大切にしている人
豊中での居住歴は優に10年を超える。大阪市内の職場へ通う。仕事はとても忙しく、仕事中心の毎日であるが、子どもたちも成長し、子育てに手がかからなくなり、休日には音楽鑑賞を楽しんだりもしている。豊中には音楽を始めとする文化的なイベントが多く、おいしい食事を堪能できる行きつけのお店もある。落ち着いて暮らすことのできる豊中市に、これからも住み続けたいと考えている。

〈タイプ06〉アクティブシニア
仕事からも離れ、自分の時間を多く持つことができるようになった。豊中には長く住んでいるので愛着があるものの、これまでに地域とのつながりもあまりなく、地域の状況もわからない。医療・福祉面においては安心感があるので、今後も豊中に住み続けたいと思っている。これからの暮らし方として、何か自分にできることを始めて、充実した日々にしたいと思っている。

他にも「自分のライフスタイルを大切にしている人」「子育てに奮闘中の人」「大阪転勤が決まった人」…等作成しています。

ペルソナは一度設定すれば終わりではなく、定期的な見直しが必要です。トレンドの移り変わりや、顧客のライフスタイル・趣味嗜好の変化等に合わせてペルソナも進化させていくことが重要になります。

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