Brand strategy column-ブランド戦略コラム-

事例から見るブランド戦略

有名企業から学ぶ!ブランド体験事例3選

2018.06.26

商品やサービスなど「モノ」での差別化が難しい今、「コト」でブランド価値を伝えるブランド体験が注目を集めています。ブランド体験を通じてブランドの持つ世界観を体感してもらうことが、ブランドを認知してもらうために効果的なのです。有名企業のブランド体験を事例に、ブランド体験を成功させるためのポイントについてまとめました。

コーヒーではなく体験を売るスターバックス

「スターバックスはコーヒーを売っているのではない。体験を売っているのだ」、これはスターバックスの会長兼CEOのハワード・シュルツ氏の言葉です。スターバックスはマスメディアでの広告展開をほとんどせず、店舗そのものをプロモーション手段として活用しています。

また、同社はスターバックスのブランドコンセプト“third place”(職場でも自宅でもない、個人がくつろぐことができる第三の場所)に基づき、強いブランドを築き上げました。

たとえば店舗戦略においては、居心地のよい店舗設計やお洒落なBGM、座り心地のよい椅子、間接照明などで“third place”(第三の場所)を実現。商品戦略では、オリジナル商品の開発や高い技術を持つバリスタを育成し、品質管理を徹底しています。サービス向上を図るため、店舗はフランチャイズではなくすべて直営方式。

また、パートナーと呼ばれる従業員には80時間を超える教育・研修が実施され、スターバックスらしいサービスができる従業員を育成します。

このように、顧客との接点(タッチポイント)を徹底的にマネジメントしていくことで、スターバックスという「ブランド体験ができる店舗」を作りあげているのです。

車を売らないショールームを展開するメルセデスベンツ

メルセデスベンツといえば高級車の代名詞ですが、それだけに一般消費者からすると敷居が高く感じられることもあるでしょう。

そこでメルセデスベンツでは新しい顧客にブランドを訴求するために、東京と大阪に「Mercedes-Benz Connection(メルセデスベンツ コネクション)」“車を売らないショールーム”を開設しました。

一般的な自動車ショールームのように売り込みされる心配がないので、安心して来店することができます。カフェやレストランが併設され、気軽にメルセデスベンツというブランドに触れることができるのです。

また羽田空港にカフェやレストランスペースも用意されたブランド情報発信拠点「Mercedes me Tokyo HANEDA(メルセデス ミー 東京羽田)」の開設やポーラ化粧品とのコラボレーションで体験イベントを行うなどブランド体験を促進させるための仕掛けを次々と行っています。

現代を休む日を提供する星野リゾート

星野リゾートが運営する「星のや」は日本旅館スタイルの高級ホテルです。コンセプトは「現代を休む日」で、いつもの忙しさを忘れてもらうためにと客室にはテレビもありません。

また自然光の美しさを感じてもらうためにと、客室の照明は暗くなっています。旅館スタイルですので入り口で靴を脱いで、浴衣で館内の温泉に入ることになります。

おそらくこのようなスタイルには戸惑う外国人も多いでしょう。「テレビがない」、「暗い」、「靴を脱ぐ」、「浴衣で温泉」などは最近の高級ホテルの路線とは真逆のものです。

しかしこのように他のホテルにはない非日常的な体験をすることは顧客に強い印象を残すことになります。リピートも期待できますし、このようなブランド体験はついつい友人・知人に話したくなるので高い口コミ効果も期待できるでしょう。

成功企業のブランド体験に共通することとは?

今回の事例を見ても分かるように、ブランド体験を成功させるためには、まずどんなブランド価値を誰に伝えるのかそのコンセプトを明確にすることが大切です。そのうえで今までにない斬新さや驚きなど、顧客にポジティブな感情を抱いてもらうことがポイントになります。

「商品を売るのではなくブランド体験してもらう」という意識をもってブランド体験をすすめていけばブランディングも促進されて他社との差別化にもつながるでしょう。