同じ土俵で戦わないという選択。
──競争のど真ん中ではなく、「構造」を変えるという発想。
「きっと何か新しい提案をしてくれる」──
お客様は、そんな期待を込めてオレンジフリーに声をかけてくださいます。その期待が本当にうれしい反面、「これだ!」という突破口が見つかるまでは、正直、苦しい。けれど、その苦しみこそが仕事の醍醐味でもあります。
老舗企業の葛藤
最近、新しく担当させていただいた企業があります。創業30年。振興業界においては立派な老舗です。けれど今の市場では、「老舗=信頼」よりも、「老舗=古い」と思われてしまうことのほうが多いのです。新しい会社が次々と登場し、SNS合戦、動画広告、検索連動広告…。
スピードと発信量が勝負の時代です。その中でこの企業は、SNSも後発。広告出稿もゼロ。結果として、「いい会社なのに知られていない」という状態に陥っていました。

「同じ土俵で戦わない」という意思決定
市場が成熟し、情報があふれるほど、正面からの勝負はコストがかかるだけになります。だからこそ大事なのが、土俵をずらす戦略──つまり、戦う場所そのものを変える発想です。
今回のケースでは、不特定多数に向けた拡散型の広告ではなく、これまでの30年で築いてきた「信頼」「技術」「文化」に光を当てました。それらすべてを“ブランド資産”として再構築し、本当に必要としているお客様にしっかり届くように設計し直したのです。いま進めているこのブランディングが形になれば、きっと業界に新しいモデルを示せると思っています。

「健全に」という、美しい競争
私たちが目指しているのは、企業が健全に戦える構造をつくること。短期的な勝敗に一喜一憂するのではなく、長く愛され、残り続けるブランドを育てることです。そのためには、「どんな土俵で戦うか」を決めることが何より大切です。土俵を変えるだけで、再び輝きを取り戻した企業が何社もあります。
どうか皆さんも、勇気を持って──土俵をずらしてみてください。きっと、違う景色が見えてくるはずです。