Brand strategy column-ブランド戦略コラム-

パーソナルブランディング

マーケティングの新常識!個が輝く令和時代の「パーソナルブランディング」とは?

2019.05.08

これまでマーケティングと言えば顧客を満足させて利益を得ること、つまり企業活動の一環で、個人には関係がないもののように思われてきました。

しかし、ここ数年で急速にSNSが普及し、個人の影響力が強くなった今、「パーソナルブランディング」が最強のマーケティングツールとして脚光を浴びています。
強力なパーソナルブランドは、マーケティング効率をアップさせ、売り込まずして売れる仕組みをもたらしてくれるからです。

そこで、令和時代のマーケティングの新常識「パーソナルブランディング」について徹底解説いたします!

CONTENTS:

1.パーソナルブランディングとは
2.タイプ別チェック!パーソナルブランディングを行う適切なタイミングとは
3.自分を看板にする専門家必見!認知度が能力に勝るビジネスの現実
4.企業や組織で自分を輝かせる〜経営者と社員のパーソナルブランディングとは
5.パーソナルブランディングを行う3つのメリット
6.まとめ〜令和にみる「個」の時代

1.パーソナルブランディングとは

あなたは無理な営業で疲弊したことはありませんか?
自分よりもスキルの低いライバルが繁盛していることを悔しく思ったことはありませんか?また自分のこれといった強みが見つからず悶々としたことはありませんか?

パーソナルブランディング(Personal Branding)とは、文字通り「パーソナル(個人)」のブランディングです。ビジネスパーソンの「個」の独自性、価値を高めて、ビジネスを成功へと導いていくマーケティング活動のことを指します。

この考え方はかねてからありましたが、SNS の普及によってその起爆力が非常に大きくなり、成功の確率が上がっています。ここではビジネスパーソンを3 タイプに分けて、具体的にお話しします。

① 自分を看板にする専門家(士業、クリエイター、政治家、コンサルタント、講師、開業医、政治家など)
②社員を率いる企業経営者
③売上や企業の印象に直結する社員(企業の営業部、販売員、広報宣伝担当者など)

それでは、タイプ別に見ていきましょう。

2.タイプ別チェック!パーソナルブランディングを行う適切なタイミングとは

どのような場合にパーソナルブランディングを着手すべきでしょうか?最も適したタイミングとはいつでしょうか?ビジネスパーソンのタイプ別にまとめてみました。

【士業、クリエイターなど、自分を看板にする専門家の場合】
□その道の専門家として注目されたい
□収入増加を図りたい
□コンスタントに仕事が入るようにしたい
□ライバルに差をつけたい
□価格競争から脱却したい
□個人の強みを最大限に活かした働き方がしたい
□本を出したい

【企業経営者の場合】
□求心力を高めたい
□企業家として一目置かれたい
□ライバルに差をつけたい
□業界でリーダーシップを発揮したい
□自分の知名度を上げることにより、会社の認知度を上げたい
□本を出したい

【企業で働く社員の場合】
□自分らしさを際立たせて輝きたい
□新規プロジェクトのメンバーに指名されたい
□お客様との関係を強化したい
□営業成績を上げたい
□ライバルに差をつけたい
□有利に転職したい

いかがでしたか?
1つでもチェックが入ったら、「パーソナルブランディング」を行うタイミングと考えてよいでしょう。

3.自分を看板にする専門家必見!認知度が能力に勝るビジネスの現実

士業、クリエイター、コンサルタント、講師、開業医、など、自分を看板にしているその道のプロフェショナルの方の場合、自分の方が明らかにスキルが勝っているのにライバルに次々と仕事が舞い込んでいるとしたら、互いの認知度を比べてみる必要があります。
どれほどのスキルも、高度な資格も、多数の成功体験も、ターゲットに知られていなければあなたが専門家として認知されることはなく、仕事が舞い込むチャンスも減るからです。

仕事の問い合わせや指名は、顧客の心の中にニーズが生まれたときに、専門家の名前や顔が浮かぶことから始まります。個人の魅力と能力を最大限にブランド化し、ライバルと差別化できる専門家=「顧客のニーズとセットで思い出される人物」になることが必要なのです。
売上を上げたい=販促コンサルタントならA さん、会社案内を作りたい=グラフィックデザイナーならB さん、交通事故でトラブルになった=弁護士ならC さんという風に、ニーズと直結してすぐ自分のことを思い出してもらうために「パーソナルブランディング」を行います。適切な形で適切なターゲットの目に何度となく触れていくことで、あなたはそのカテゴリーの代名詞となります。自身の名前1 つで仕事ができる強いビジネスパーソンになれるのです。
それが安定した収入に繋がることは言うまでもありません。

4.企業や組織で自分を輝かせる~経営者と社員のパーソナルブランディングとは

【経営者の場合】
経営者はすべての経営の責任を負い、組織を作っています。志を持ち、リーダーシップで社員を引っ張っていく仕事です。一口にリーダーと言っても命令指示型だけではありません。
ビジョン型、コーチ型、サーバント型などリーダーの姿も様々です。あなたの個性、人柄とリーダー性を際立たせることが必要です。それによって求心力が高まり、経営者としての誇りや喜びが生まれます。経営者としての壁をひとつ越えられるかもしれません。
また、経営者のパーソナルブランドが競合他社との差別化のポイントとなり、企業ブランドを輝かせることが可能になります。

【社員の場合】
社員の方の場合、能力があるのに、魅力があるのに、そんなあなたが社内で埋没しているとしたら、もったいないですね。
人は誰しも認められたいという欲求があり、それが満たされた時に輝くのです。パーソナルブランディングを行うことにより、お客様に認められ指名される人になるのはもちろん、上司・同僚・部下・多部署からも承認され、チャンスを呼び込める可能性が。
プロジェクトチームのメンバーに抜擢される、行きたかった部署へ異動できるなど、周囲の見る目が変わることで人生が好転していくでしょう。パーソナルブランドを構築しておくと、転職の際にも有利です。

【企業研修として】
最近では、企業研修にパーソナルブランディングを行う会社も出てきました。これは社員が研修内で個々のパーソナルブランドを構築するのですが、各々のブランドをチームメンバーとシェアすることにより、互いのことを知って承認し合う土壌ができあがります。
昔ながらのパターン化された研修に対しては、「どうせいつもの」「ただ参加しておけばいい」と辟易している社員も、自分ゴトのパーソナルブランディングには生き生きと取り組み、社員同士の意見交換も非常に活発に行われます。チーム力、組織力のある会社にするための新しい研修として注目されています。社員の束ね方が分からないと思いあぐねている企業にとって、「個」の多様性を生かし、企業の競争力に繋げていくパーソナルブランディング研修は、解決の糸口になるでしょう。
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事例

5.パーソナルブランディングを行う3つのメリット

パーソナルブランディングを行うことで得られるメリットをビジネスパーソンのタイプ別にお伝えします。

【士業、クリエイターなど、自分を看板にする専門家の場合】
①認知度と収入がアップする
パーソナルブランディングによって確立されたブランドイメージにより、高い付加価値がつきます。自分を専門分野のリーダーという位置づけが成功すれば、それにふさわしい報酬を手にすることができます。

②安定して仕事が入り続ける
自分から売り込まなくても売れ続ける仕事の流れができます。

③ 誇りと喜びを感じ続けることができる
自分の専門性や強みが明確となり、専門家として認められていると言う実感が誇りにつながり、大きな喜びをもたらします。

【企業経営者の場合】
①リーダーとしての求心力が高まる
強力なパーソナルブランドの構築により、経営者としての強みや人間性が明確になり、リーダーとしての存在感が増します。社内外の目があなたに集まるようになります。

②知名度が拡大する
経営者としての知名度は信用・信頼の証です。あなたの業界団体での位置づけが上がり、これにより企業価値も向上するようになります。

③ステージアップする
経営者として抜きん出ると、新たなビジネスチャンスや有益な人々との出会いが次々と生まれます。

【企業で働く社員の場合】
①指名され、売上目標を達成できる
「あなたから買いたい」とお客様から言われる喜び。パーソナルブランドは、売上目標達成の大きな力となります。

②社内で、自分にふさわしいポジションを獲得できる
専門性や個性をブランド化することにより、社内でのポジションを獲得できます。承認されることにより、一日の大半を過ごす職場が居心地の良い場所に変わります。

③やりたい仕事や部署に異動できる
上司の引立てを受けたり、専門性にふさわしい部署へ異動できるなど、可能性が広がります。またパーソナルブランディングを行うことで、有利な転職、副業も視野に入ってきます。

6.まとめ~令和にみる「個」の時代

令和の時代において、働き方改革はさらに進み、誰もが自分らしい生き方や自分に合った働き方を模索し、ますます「個」を重視していくことは間違いありません。企業には、「個」の能力、価値観、ライフスタイルなどを最大限に尊重することが求められていくでしょう。

そのような中、個の存在価値を高めるパーソナルブランディングは、自分を看板にするビジネスパーソンや企業経営者だけでなく、企業の傘下で働く社員一人ひとりにとっても重要です。また、企業にとって社員をブランディングして戦力化していくことは、集客や売上に反映され、企業ブランドを押し上げていく効果があります。

個人にとっても企業にとってもメリットのある「パーソナルブランディング」。
令和時代のマーケティングの新常識として、今後ますます普及していくことでしょう。